逆マタハラ・お妊婦様・モンスターワーママ問題とは
 

● 逆マタハラとは…

妊娠や出産・育児休業で休んだ社員の業務のしわ寄せで、長時間労働を余儀なくされ、過労死しそうな周囲からの訴えを象徴した言葉。

▶マネジメントの問題(業務分担の配慮不足)、(残業が常態化しているなどの)働きかたの問題

わざと保育園落ちる問題(「保育園の不承諾通知」歓迎問題)

育休から復帰しても仕事とワンオペ育児が過酷と捉え、あえて保育園に落ちて育休を延ばす。

お妊婦様・モンスターワーママ問題とは…

妊娠や育児というカードを最大限に利用して、仕事や周囲への気遣いをせずに過剰な権利意識で迷惑を掛けたり、

周囲を傷つけたりする妊婦やワーキングマザーのことをいう。女性側がむしろ加害者となっている。

これは法律の問題ではなく、社会人としての常識やマナーの問題。

▶社員教育の問題

                    【マタハラと逆マタハラの関係図​】

7割の企業で休職者の仕事を周囲がフォロー
 





 

 

 

資料出所:HR 総研×NPO法人マタハラ Net協働調査「企業におけるマタハラ意識調査」(2016年4月発表)

逆マタハラだ!

「産休・育休を取得する社員がでると、その社員の業務は周囲の社員が負うことになる労働環境だ」という質問に対し、「とてもそう思う」20.3%、「まあそう思う」49.5%と、合わせて69.8%と7割に達していることが分かりました

産休・育休を取得する社員がいる一方で、周囲の社員の業務負担が増大するという実態が浮かび上がりました。しかも、そうした傾向は、企業規模別に見ても300人以下と1001人以上の大企業で大差はありませんでした。

 

このような状況が起こることは当然で、例えば、産休・育休で経験の浅い入社1~2年目の女性が休業しても、彼女の業務はパートタイマーや派遣社員の直接代替要員でまかなうことが可能かもしれません。

しかし、経験豊富な入社15年目の女性が休業すれば、彼女の業務はパートタイマーや派遣社員で代替するのはほぼ不可能で、周囲の社員がフォローするしかありません。

では、休業した社員のフォロー分が評価や処遇に反映されているでしょうか。多くの企業で、人事評価や金銭的報酬への反映は「何もない」という回答でした。

結果的に、フォローする側の社員は業務負荷が高まるばかりで、なんら報われていないことになります。これでは「逆マタハラだ!」という声が上がっても不思議ではありません。そして、ここにマタハラ解決のポイントがあります。

​マタハラ解決のポイント
 

マタハラ解決のポイントは、逆マタハラの解決にある!​

 

産休・育休を利用する社員だけでなく、そうした社員をフォローする側に回る社員にも目を向けお互いがWin-Winの関係が築けなければ、フォローする側にとっては産休・育休を利用する女性は迷惑な存在でしかありません。結果的に仕事に追われて余裕のなくなる職場では、妊娠は個人的なこととみなす風潮がマタハラを生むことになります。

 

では、どのようにすれば制度を利用する側とフォローする側がWin-Winの関係を築いていけるのか。

具体的には、フォローする上司・同僚の評価の見直し、フォロー分の対価の見直し、結婚や妊娠を望まない社員にも長期休暇制度の導入など検討の余地があります。

また、産休・育休の取得で休業者分の人件費コストが浮くのであれば、その分をフォローする部署内で再分配するルールをつくり、フォローする側の業務負担に報いるという仕組みがあってもいいでしょう。

給与の再分配がなされれば、制度を利用する側も気兼ねなく休業に入ることができます。

 

マタハラと逆マタハラの解決には、ダイバーシティ&インクルージョンという概念が必要!

多くの企業がダイバーシティ(多様性)を経営戦略に掲げ、ダイバーシティ推進の一環として女性社員に焦点が当てられるようになって久しいですが、これまでは女性が“女性”としてではなく、男性並みの働きを求められてきた時代でした。

しかし、これからはマタハラの問題解決をきっかけに、働き方自体を見直すことで、ダイバーシティ推進に際して女性が象徴的に登用・配置されるのではなく、本当の意味でダイバーシティの取り組みの成果を得る行動変革の時期を迎えたといっていいでしょう。

そのために重要になってくるのが、ダイバーシティ&インクルージョン”(多様な人材が対等に関わりあいながら一体化している状態)という概念です。

アメリカでは1990~2000年ごろ、多くの企業がダイバーシティ・マネジメントに取り組みました。ダイバーシティ人材として女性や人種的マイノリティの積極的な採用・登用とサポート制度の導入に焦点を当てましたが、アメリカではダイバーシティマネジメントはうまく機能せず、せっかく採用・登用したダイバーシティ人材の離職率は高いままでした。

このダイバーシティ・マネジメントの失敗の原因は、ダイバーシティ人材を受け入れ、協同していくという受け入れ側のマインドセットの欠如と変化を拒絶する組織風土でした。そうした反省を活かして“ダイバーシティ&インクルージョン”という概念が生まれ、2000年以降多くの企業が成長戦略として取り組んでいます。

 

日本企業は近年、ダイバーシティ人材の確保や制度の導入に焦点を当てるダイバーシティ・マネジメントに近い取り組みをしています。これではダイバーシティ人材は他の社員にとってお荷物でしかありません。

本来はダイバーシティ人材がいることで、他の社員にも好影響がもたらされ、プロセスイノベーションやプロダクトイノベーションが引き起こされることがダイバーシティの成果のはずです。“ダイバーシティ&インクルージョン”の概念なしにダイバーシティの成功は難しいと考えられています。

ぜひマタハラ解決をきっかけに、“ダイバーシティ&インクルージョン”へとつなげていってほしいです。 

 

少子高齢化により労働力人口が減少しており、2030年にはピーク時(1968年)の61%にまで落ち込むと予測されています。

日本社会において、育児・介護ばかりでなく、病気やケガなど体力的な事情のため、勤務時間や地域的制約を伴う人材が働き続けることのできる社会の実現が求められます。

“ダイバーシティ&インクルージョン”の概念なしに企業は生き残ることはできないし、生き残りをかける上での経営戦略の一環にしてほしいです。

Diversity&Inclusionの状態

参考:(株)ヒューマンバリュー研究員 堀田恵美氏 文献

資料出所:小酒部さやか著書「ずっと働ける会社(花伝社)」

 

働きかた改革とは

長時間労働の是正、残業上限規制、インターバル規制など

Diversity&Inclusionとは

多様性の受容、両立支援制度の使いやすさ、ダイバーシティ人材が他の社員にも好影響をもたらすこと

Employer Brandingとは

“働きやすさそのもの”を企業のブランディングに活用すること=働きかたBranding、働くうえで魅力ある会社というイメージ、

優秀な人材の獲得競争の中で生まれてくる概念で企業の経営戦略の1つ

Diversity&InclusionへのStep

参考:早稲田大学大学院商学研究科 谷口真美氏 「日本の人事部」2006年インタビュー記事

資料出所:小酒部さやか著書「ずっと働ける会社(花伝社)」

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